歯を失う二大原因は、虫歯と歯周病です。そのうち歯周病は虫歯と異なり、痛みをあまり感じないまま症状が進行するため、気が付けば歯がグラグラする、歯ぐきがひどく腫れて噛めなくなるなど深刻な状態に陥ってしまいます。そして最終的に歯が抜け落ちてしまう、あるいは歯を残すことができず、抜歯となってしまいます。
このように、最悪の結果を招いてしまう恐れのある歯周病の原因とは、いったい何でしょうか。
歯周病の原因には、歯ぐきに炎症を起こす直接的な要因と、口腔内の環境や生活習慣が歯周病のリスクを高める間接的な要因に分けられます。
● プラーク
歯周病を引き起こす直接的な原因は、プラークです。
プラークとは、歯と歯ぐきの境目に付着した黄色っぽい粘着性の物質で、お口の中にトラブルを起こす細菌の塊です。
お口の中には非常に多くの細菌が存在していますが、プラークは口腔内に残った飲食物に含まれる糖分らを栄養源にして細菌が作り出し、お口の中に歯周病菌が存在すると、プラークに歯周病菌が寄り付いて毒素を出し、歯ぐきや歯槽骨など歯周組織に炎症を引き起こしてしまいます。
プラークが溜まりやすい口腔内環境や生活習慣といった間接的な要因が、歯周病を引き起こしてしまいます。
この間接的な要因を「リスクファクターと」言い、様々なリスクファクターが重なることによって歯周病リスクが高まってしまいます。
● ブラッシング不足
健康な歯と歯ぐきを保つためには、毎日の適切なブラッシングが欠かせません。しかし、正しいブラッシングが行われていないと汚れがきちんと落とせず、プラークが作られる原因となってしまいます。特に歯の表面はしっかりと磨けていても、歯と歯ぐきの境目は汚れが残っていることが多く見られ、歯肉炎や歯周炎を引き起こしやすくなります。
● 喫煙習慣
タバコは、歯周病を悪化させる大きな原因です。タバコに含まれる成分が血管を収縮させ、歯ぐきに炎症を引き起こし、抵抗力も低下させてしまうことから、歯周病菌が増殖しやすく歯周病を悪化させてしまいます。
このように喫煙習慣は肺がんなど体の健康だけでなく、お口の健康にも悪害を与えてしまうことがわかっています。
● 歯並びの悪さ
歯並びが悪いと、歯が重なっている部分などはブラッシングがし辛く、汚れが残ってプラークが作られてしまいます。また歯石にもなりやすいため、歯並びの悪さは歯周病のリスクファクターのひとつであると言えます。
● 金属の被せ物などの補綴物
虫歯治療で使われる金属の被せ物は、歯と被せ物の境目に段差が生じるため被せ物の周りに汚れや細菌が付きやすくなります。
その結果、被せ物を装着した部分にプラークが付き、歯周病を引き起こしやすくなります。
● 口呼吸
本来、呼吸は鼻で行うものです。ところが、口で呼吸をする口呼吸の習慣がついてしまうと、お口の中が乾いてしまうため、細菌が増殖してプラークが溜まりやすくなります。そのため歯周病リスクが高まってしまいます。
このように歯周病は、直接的な原因であるプラークと、口腔内環境や生活習慣など間接的な原因によって引き起こされやすくなることがわかっています。
医療法人社団デンタルケアコミュニティ
あやせ院院長
齋藤 栄崇歯科医師
【経歴】
2006年 日本歯科大学 新潟歯学部卒 大学病院で一般歯科、口腔外科を中心に治療経験を積む
2007年より 一般の歯科医院にて、一般歯科、小児歯科、口腔外科のほか、訪問歯科を多数経験
2011年 あやせ院の院長に就任
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